脳にはそれぞれ役割がある⁉︎『大脳皮質(前頭葉)』について

キーワード:くわしく知りたい脳の病気
記事画像_脳にはそれぞれ役割がある⁉︎『大脳皮質(前頭葉)』について

1.はじめに
 人間の思考や行動、生命維持など、人間が生きていくうえで必要な事柄の全ての司令塔です。 そして、脳部位によってそれぞれ請け負っている役割が異なるということもわかっています。人間の脳は、大脳、間脳、脳幹(中脳、後脳、延髄)、小脳の4種類の領域に分類されます。


【脳の主な役割】
大脳皮質の左脳 … 知覚、思考、判断、意思、感情を司る。(論理的思考)
大脳皮質の右脳 … 本能や自律神経、記憶を司る。(感覚的思考)
脳幹 … 中枢神経系を構成する部位が集まっている器官。
中脳・橋・延髄から構成され、意識や覚醒などの重要な役割を担う。

脳室 … 脳脊髄液により各脳部位へ栄養補給、酵素を補給。衝撃に対するクッション。
右脳と左脳 … 大脳は右半球と左半球で機能が大きく異なります。言語中枢があるほうを優位半球、ないほうを劣位半球と区分されています。

 通常右利きの人は、左脳が優位半球、左利きの人は大半が右脳が優位半球となり、優位半球は生まれた時から決まっている様です。

脳梗塞や脳出血に関して梗塞や出血が起こった部位で起こりうる症状が変わるためまずは『脳の役割シリーズ』の中で大脳皮質(前頭葉)の役割をご紹介します。 




2.前頭葉の役割
 前頭葉は、大脳半球の約1/3程度の広範な領域を占めており、思考、判断、情動のコントロール、コミュニケーションといった高度な分析・判断を司っています。 思考力、創造性、社会性といった高次脳機能など人間らしさの源泉ともいえる部位です。



一次運動野、運動連合野
 運動の遂行に関与する領域。体を動かす指示を司りダンスや体操をするときの動かし方など、順序や方法が決まっている運動情報を運動野に伝える役目を担って運動の情報処理を行っています。

前頭連合野
 まわりのあらゆる情報から推理、思考し適切な行動を起こすことに関与する領域。 大脳皮質の約30%を占め、情動のコントロールや、論理的な判断、将来の予測、判断、行動計画に必要な情報を側頭連合野や頭頂連合野から受け取り、複雑な行動計画を組み立て、その実行の判断などを司っています。

ブローカ野
 思いを言葉にする領域。運動性言語中枢と呼ばれ、言語処理、音声言語、手話の産出と理解などに関わっています。 単純に言えば、言葉を理解してノド、唇、舌などを動かして言語を発する役目を司っています。

前頭眼野
 眼球運動を調整する領域。視覚野・聴覚野・体性感覚野・味覚野・嗅覚野から情報を受け、眼球の随意運動指示、直感的な意思決定などを司っています。



3.前頭葉が障害されると、、、、、、
 優位半球の前頭葉前半部は、思考、自発性(やる気)、感情、性格、理性などの中心です。 病気や怪我で優位半球の前頭葉が障害されると、これらの機能が低下します。 具体的には、几帳面な人がだらしなくなったり、幼稚になったり、極端な例ですと目はあけているけど一日中ボーッとして何もしない状態になります。


優位半球の前頭葉の障害の場合、、、
 両側の前頭葉の後半部は体を動かす一次運動野という部分があり、手足を動かす命令はここで出されて、脊髄を経由して手足に送られます。 この命令が通る道は途中で左右が交叉して、右側の運動野は左半身を、左側は右半身を支配しています。病気で右の運動野が障害されると左半身が動かなく(麻痺)なります。


前頭葉後半部の障害の場合、、、
前頭葉の機能は、現在の行動によって生じる未来における結果の認知や、より良い行動の選択、物事の類似点や相違点の判断に関する能力と関係しています。 前頭葉の部位によってそれぞれ役割が決まっており、損傷を受けた箇所によっては症状が大きく異なります。




4.おわりに
 脳は、記憶や思考をつかさどる領域や運動、感覚をつかさどる領域などが、複雑に関りあっています。 血栓や出血の起きた部位を中心に麻痺や障害が残りやすくなるのが一般的ですが、一見似たような病状であっても、影響を受ける脳神経のつながり方には個人差があります。 そのため必要なリハビリも、患者様の後遺症にあわせた多様なものになります。

 

【引用ページ】
脳にはそれぞれ役割がある⁉︎『大脳皮質(前頭葉)』について
https://t-performance.info/single-zentoyo.html

T-performance
投稿日:2025年03月07日